トプコン FAQ     (有)山口商店 2004/02/07  


新製品Q&A

飛び抜けるはる実用性!
……新機構パルストータルステーション“CPT-3000”発売にあたって……
はじめに

2003年12月に発売しました“GPT-3000”は、その名称や外観から単なる“GPT-2000”シリーズの後継機種という感がありますが、その性能・機能は全く違ったもので「進化機種」と言っていいでしょう。
カタログなどではなかなか読取れない「進化」のいくつかを、デモンストレーション・その他で実機に触れられた方から寄せられた質問に対しての回答という形式(Q&A)でご案内します。

 

“GPT-2000”もパルス方式ですが、“GPT-3000”と何が違うのですか?

“GPT-2000”もパルスレーザーを使用していますが、“GPT-3000”のパルスレーザーでは広がりを抑えた「ピンポイント・パルスレーザー」を開発し、ノンプリズムモードでのピンポイント測距が可能となりました。また、“GPT-3000”の測距用レーザー光は、クラス1・不可視光レーザーを使用していますので安心・安全なレーザー光と言え、他杜のように「クラスの高い可視光レーザー(ON/OFF不可)で測量作業を行った場合に思わぬ事故が起こる可能性」についての配慮は要りません。このような点からも、“GPT-3000”は不可視光のピンポイントパルスレーザーを使用しています。

 

他社のノンプリズムは「位相差方式」を探用しているのに、

“GPS-3000”はなぜ「パルス方式」を採用しているのですか?

「位相差方式」は他社で多く採用されている方式ですから、トプコンも「位相差方式によるノンプリズム・トータルステーション」の開発を考えましたが、位相差方式には「誤表示」というトータルステーションにとって致命的な問題があり、採用を見送りました。
位相差方式は目標物から反射されたレーザーの位相の差から距離を計算しますが、目標物が針先のようなピンポイントでない限りは測定の条件によって2つ以上のレーザー光が反射され機械内に複数の位相が発生する場合があります。このとき、2つ以上の正しい測距を行った機械は「間違った一つの値」を表示しますが、これが「誤表示」となります(図参照)。「誤表示の可能性を含む」ことは、正確が当たり前の測量機器では許されない現象ですので、パルス方式はこのような「誤表示の無い」正しい値を表示する方法として採用しました。

参照図

 

ノンプリズムモードでの測距精度が±5mmと最近では少ない表現ですが、

精度的に類似の機械より劣るのですか?

ノンプリズム測距の距離測定精度は、気象条件によって大きく左右されます。他社のカタログを見ますと±(3mm+2ppm×D)とありますが、小さな文字で「ただし気象条件によります」と標記してあります。
この「気象条件」とは陽炎(かげろう)が大きな要因で、ピンポイントでレーザーを照射するノンプリズムの場合にはレーザー光が陽炎の中でわずかに屈折し測距誤差の原因となります。このような場合を考慮して、上記のような表示をしているものと思われます。なお、“GPT-3000"は、このような条件下でも測距精度±5mmを保証いたします。
また、2ppmXDとは1km測定して2mmの誤差ですが、250m到達の機械では距離比例項が最大0.5mmですので
mm以下のものを表現しても意味が無く、今回は±5mmといった新しい表示方法をとっています。しかし、「必ず5mm程度の誤差が出る」といった意味ではありません。

 

カタログに「ハイブリッド測距」とありますが、どのような機能ですか?

ハイブリッド測距とは、ノンプリモードでは広がりを抑えたピンポイントパルスレーザーで測距し、プリズムモードでは広がりを持ったパルスレーザーで測距します。
前項でも述べましたが、陽炎などの条件でレーザーはわずかに屈折しますので、ピンポイント・パルスレーザーのままプリズムモードで測距してしまうと「大きな誤差の要因」となりますし、対物レンズと目標物設置のプリズム正面が正対していない場合には「やぶにらみ」となり測距に大きな誤差を持ってしまいます。
他杜のノンプリズムトータルステーションでは、プリズムモードとノンプリズムモードで同じに絞ったレーザー光を採用している機種もありますが、“GPT-3000"では図のようにノンプリモードとプリズムモードではレーザーの絞りを変えて安定した測距を実現しました。

参照図

 

 

Bluetoothって何ですか?、どんな利点がありますか?

Bluetoothとは、ノートパソコンなどでは一般的な電子機器同士をケーブルの代替として近距離の無線
で繋ぐ通信規格です。他社で採用しているような赤外線通信だと、指向性があり送信機と受信機が正対
していなければ通信できませんが、Bluetoothは無指向性の電波ですのでいかなる方向に向けても通信可能です。また、ノートパソコンなどで一般的な方式であることから、“GPT-3000"と各社電子平板システムとの間をケーブルレスで通信でき、作業者の白由度が高まり作業性が向上します。なお、各社の計算/CADシステムにもBluetoothユニットを取付ければ、“GPT-3000"と計算/CADシステム間での座標データや観測データのやり取りがケーブルレスで高速・安定した通信が可能です。

参照図

 

上記のQ&Aは、(株)トプコンよりの情報をもとに作成し、ご紹介しています。