フィールド計測機器の活用

(有)山口商店

2016/07/30

林業関連での活用について

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作業に必要な地図や図面を携帯型GNSS(GPS)で使う!


最近は携帯型GNSS※1は林業などでも多く使われるようになってきました。これは位置の確認が容易にできることが普及の要因だと思われます。私も遊びでGPSを使っていましたが(当社ホームページで紹介しています、イーグルクス)、最近新しくガーミン社のGPSMAP64SJを購入しました。以前より思っていた、林業関連で使われている森林基本図や森林計画図などをGNSS受信機内に取り込んで表示させてみたいと思っていました。

今回、色んな地図や図面を取り込んでみました。

まずは、

大日本帝国陸地測量部作成(明治23年測図)の地形図(縮尺1/20000)を取り込んでみました。

下の写真は上記地図と取り込んだGPSMAP64SJの画面です。

休みの日などに上記地図を片手に地図に載っている場所にいってみたりするのですが、これがまた大変。昔の道や城跡、砦あとや海岸線など。現在の地図と見比べながら探索は大変です。

今度はこの地図をGNSS受信機にセットして行こうと思っています。

ちなみに余談ですが、この明治23年の地形図は日本で最初に作られたもので、江戸時代の名残が多く残っていて大変興味深いものです。

続いては、

林業関連の事業図(1/5000)

下の写真は事業図とGNSS受信機の画面です。

森林基本図や森林計画図、施業図などをセットして作業の効率化を図るのもいいと思います。

 

じゃーどーやってこれを行うのか、簡単に手順などをご紹介します。

 

@ 読み込ませたい図面をパソコンに取り込みます。

これはパソコンとスキャナーを使いました。

パソコンは普通のWINDOWSのパソコン

ソフトは画像が処理できるペイント(WINDOWSに付属)など

私はマイクロソフトのフォトエディターを使いました。

スキャナーはプリンターに付属しているA4サイズまで読み取れるスキャナです。

読み取った画像はビットマップ形式で保存。

 

A 読み込んだ画像をカシミール3Dに読み込み

カシミール3Dはフリーソフトでインターネットで無料ダウンロードが可能。(これはすぐれ物のソフトですよ。)

地図の左上、右下の緯度経度を調べる。(読み込む時にこれをセットする。)

わからない場合は後でもOK!

カシミールのソフトを立ち上げ読み込んだ画像を取り込む。(この時図面の左上と右下の緯度、経度をセットする。)

カシミール3Dの画面上に地図が表示される。

なお、緯度経度をセットしなかった場合は、地図のキャリブレーションを行って地図の位置を設定する。

ちなみに上記、明治の地図は左上、右下の緯度経度を指定して読み込みを行いました。

下の事業図はキャリブレーション機能を使って3点の緯度経度を指定しました。

(入力するポイントの緯度経度データの求め方※2

 

B GPSMAP64SJにセットするマップデータを作成する。

カシミール3Dのマップカッター機能を使ってGPSMAP64SJにセットするマップデータを作成する。

マップデータは GRAMIN/Google KMZ 形式で保存する。

 

C 作成したMAPデータの位置を確認

この作業を行うにはコンピュータにグーグルマップがセットされている事が必要。

(グーグルマップはインターネットで無料ダウンロードが可能。)

上記で保存したファイル(KMZ)を直接クリックする。

すると下の画像のように自動でグーグルマップ上に表示される。

これで位置を確認する。

 

D GPSMAP64SJにファイルをセットする。

GPSMAP64SJとパソコンをUSBケーブルで接続する。

保存したファイル(KMZ)を GPSMAP64SJ の GRMIN フォルダーの中の CustomMap フォルダーにコピーする。

 

これで作業は終了です。

 

あとはGPSMAP64SJの地図設定で書き込んだファイル(KMZ)を有効にすれば、その位置に読み込んだファイルが表示される。

表示したくない場合は地図設定で無効にすればよい。

 

以上が、使いたい図面のセット方法です。

 

ちなみにOREGON450TCがあったので同じようにセットしてみましたがOKでした。

 

ちなみに大きな図面は別途大型スキャナーで画像を読み込んで作成しても可能ですが、必要な部分だけ、その都度、簡単なスキャナーで読み込んで使用するのも便利かも。

 

ちなみに、こんな使用方法も面白いかも。

●林道設計図の線形図面(路線図面)を読み込ませ、IP点や役杭など位置から位置を確定しセットする。

現地に行って林道の位置がどうなるが、表示させて確認する。

●敷地の測量図などをセットして出来上がり位置関係などを確認する。

●城跡などの縄張り図を入力し、現地で昔の位置関係を調べる。

●地中の配管図をセットして配管などがどのあたりにあるかを想定する。

(上記の使い方においてはGNSSの誤差も考慮する必要があります。上記例は参考程度ですのでご注意ください。)

 

ご注意:上記内容はお使いになるシステム、器機、地図の精度などにより異なる場合があると思われますのでご注意ください。

 

※1最近ではアメリカのGPSだけでなく、ロシアのGLONASS、日本の準天頂衛星みちびきなどのナビゲーションシステムなどを使うシステムが一般的になってきました。以前はGPSだけを使っていたのでGPS受信機と呼んでいましたが、いろんなナビゲーションシステム使っているためGNSS受信機と呼ばれるようになってきました。( GNSS: グローバル ナビゲーション サテライト システム )

測位衛星の受信可能数が2倍以上に増えるため、深い渓谷や森林でも信号ロストする事が少なくなりました。
※2位置の緯度経度はカシミール3Dやグーグルアースから緯度経度を読み取る。(マウスポインタを持って行った位置が緯度経度として表示されている。この時の地図は読み込んだ地図ではない。またはマップポインターなどを使って求めるのもよい)

 

     

       

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掲載:2016/07/30