塩分測定 カンタブ詳細01 (有)山口商店 更新:2007/01/30 ホーム


生コンクリート中の塩分量測定計

カンタブ
(財)国土技術研究センター 評価品 全生工組連・全生協組連推薦品

 カンタブの構造

カンタブは、コンクリート中の練り水に含まれる塩化物量を測定するものです。カンタブは、塩素分析のモール法を基本原理とし、臨床化学検査の分野で著しい進歩をみせているドライケミストリー( Dry Chemistry)の手法を導入して、精度を損なわすに操作を簡単にしたフレッシュコンクリート中の塩分量測定計です。カンタブは、塩素イオンが存在すると茶褐色の試薬が白色に変化することを利用しています。

カンタブの特徴

@精度がよく個人差がありません。
A電極の校正等が必要でなく、だれにでも簡単に測定できます。
B電池やコード等の必要がなく、どこでも持ち運びができます。
Cセメントの種類に関係なく測定できます。
D記録保存ができます。
E維持費がかかりません。

 

カンタブの種類

カンタブの種類

低濃度品

標準品

測定範囲

(水溶液濃度としてCℓ換算%)

0.003 〜 0.05

0.05 〜 0.5

 

 カンタブの使用方法

 

@ 試料のフレッシュコンクリートを適当な容器に採取して下さい。
※試料は1ℓ程度で充分ですが、JlS A 1115 (まだ固まらないコンクリートの試料採取方法)等に準じて、測定するコンクリートの代表的な部分を採取して下さい。

また、強度試験用型枠に詰めたコンクリートを利用することもできます。


A 採取した試料にカンタブを倒れないように3本差込み(全長の1/3程度)、湿気指示部が暗青色に変化ずるまで侍ちます。(約10分程度)
〔注:1〕カンタブは直射日光と水分に不安定なため、測定直前にアルミパックを破いて取り出し、測定は必す直射日光を避けて行って下さい。
〔注:2〕カンタブの通気口部分が水に触れると湿気指示部が変色し終点がわからなくなりますので、絶対に濡らさないようにして下さい。


B カンタブの湿気指示部がオレンジ色から暗青色に変色したことを確認した後に、試料より取り出し、毛細管部分の色が茶褐色から白色(淡黄色)に山なりに変色した部分の頂点を0.1の位まで読み取ります。
※測定所要時間は約10分程度です。しかし、測定温度、コンクリートの配合、塩化物含有量等で異なり、多少時間が長くなることもあります。(湿気指示部の中心部が暗青色に変化した時点で測定は完了です。湿気指示部全体が暗青色に変化するのを侍つ必要はありません。)
※もし塩化物が存在しなければ、白色(淡黄色)の変色は生じません。しかし塩分がなくても、濃い茶褐色(黒っぽい変色)の変色が生じることかあります。これは塩分による変色ではありませんのでまちがわないようにして下さい。

C カンタブの読みから添付の換算表を用いて、フレッシュコンクリート中の水に対ずるCℓイオン濃度を3本についてそれぞれ求め、その平均値を用いてコンクリート中の塩化物含有量を下式を用いて計算します。

※カンタブで測定した値は、フレッシュコンクリート中の水(練り水)に対するCℓイオン濃度(%)です。したがって、コンクリート1㎥に混入されている塩化物含有量を計算にて求めます。以下に例を示します。

●換算表から求めた3本のCℓイオン濃度→0.109、0.109、0.116(%)

●単位水量--------165kg/㎥とすると、


 

 

 

 注意事項

 

@ 換算表は、必事ず、箱についているものを使用して下さい。(製造ロットごとに検定されていますので異なるロットのものは使用できません。

A 測定は必ず日影で行って下さい


B 測定直前にアルミパックを破いてカンタブを取り出し、御使用下さい。

 

C 湿気指示部は絶対に濡らさないで下さい。

 

D カンタブの保管は、直射日光の当たる場所、および、湿気の多い場所は避けて下さい。

 

E 測定終了後もコンクリート中に差し込んだままにしておくと、検液が補給され、読みがわすかではありますが、大きくなりますので、測定終了後は、すみやかに取り出して下さい。


F 条件によっては、カンタブの目盛りで3前後まで茶褐色部分が黒っぽく変色し、白い変色の読み取り
が困難なことがあります。この場合は、塩分量の絶対値は求めることができませんが、その黒っぽく変化した部分以下の塩分量であると判定されます。


G 有効期限内に使い切って下さい。

 

4

 保存方法 (測定終了後のカンタブを記録保存する場合のご注意)

測定の終了したカンタブを記録紙等に貼り付け保存する場合には、以下の処置を行って下さい。

@ ティッシュペーパーやぺ一パーウェス等にカンタブを包み、机や硬い物の上で鉛筆やボールペン等のペン尻を使って、目盛上部より検液吸上口の方へ吸い上げられた検液を充分にしぽり出して下さい。


A レポート、工事記録帳にセロテーブ等で張りつけ、光(日光、螢光など)が当たらない様にして保管して下さい。


B アルミパックやビニール袋等密封容器に保管しないで下さい。

〔注:1〕検液のしぽり出し方が不充分の場合、時間の経過とともに変色が多少進行します。
〔注:2〕測定終了後、徐々に試薬が変化し、目盛で3ぐらいのところまで、不純物によりねずみ色、茶色、黄色等の混合した変色が表われます。これは塩分による変色ではありませんので御注意ください。

 

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 判読例

フレッシュコンクリート及びモルタルの測定例

 

同一フレッシュコンクリートによる標準品・低濃度品の塩分量測定結果例

 

     


参考

生コンクリート中の塩化物測定記録表 pdf-67KB

カンタブを用いた細骨材中の塩分量測定方法 pdf-91KB